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肝臓はなぜ沈黙の臓器と言われるの?

五臓六腑の一つである肝臓は、代謝を促進し、アルコールなどの有害物質を解毒する働きがあります。
私たちにとってこのような重要な働きをしている肝臓ですが、別名「沈黙の臓器」と呼ばれていることをご存じでしょうか?
肝臓の機能がうまくいかなくなると、生命の維持そのものが難しくなってしまいます。
今回は、そんな肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれている理由について説明いたします。

 

どうして肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれているの?

 

肝臓は五臓六腑の中でも最も重く、体積がある内臓です。
食べ物から摂取した栄養素を体に合うよう再構築し、エネルギーとして全身に供給する「代謝」。
アルコールや薬などに含まれている有害物質を水溶性に分解し、尿や便として体外に排出する「解毒作用」。
そして、脂質の消化吸収の手助けを行っている「胆汁の生成と分泌」。
主に、これら3つの働きを行っています。

 

また、肝臓は非常に再生能力が高く、たとえ手術で半分以上を切除したとしても、4か月〜半年も経過すれば、また元の大きさに戻り肝機能もほとんど回復します。

 

しかし、こうした優秀な機能を備えているために、肝臓はある程度のダメージを受けても表立った症状が現れないのです。
さらに感覚神経が他の臓器と比べて少ないため、痛みを感じにくく異常が起きていても気づかないことが多いと言えます。

 

自覚症状が出にくいからこそ、気づいたら取り返しのつかない程病気が進行している可能性もあるため、「沈黙の臓器」と呼ばれ恐れられているのです。

 

肝臓の異常は「脂肪肝」がきっかけとなることが多い?

 

そんな沈黙の臓器である肝臓ですが、一番かかりやすい肝臓病が「脂肪肝」です。
これは、アルコールの過剰摂取や日々の暴飲暴食などが原因で、肝細胞に脂肪が蓄えられた状態のことを言います。
しかし、たとえ脂肪肝になっていても痛みなどの自覚症状がほとんどないため、早期発見をするためには定期的に健康診断を受ける必要があります。

 

脂肪肝を放置していると、やがて「肝炎」を発症します。
肝臓が炎症を起こしていると、右のみぞおち当たりに痛みを感じますが、まだ鈍痛程度であるため気づかない場合も多いのです。
特に急性肝炎の場合は痛みが長引かず、そのまま放置されることで「慢性肝炎」へと進行していきます。

 

炎症が慢性化すると、肝機能が著しく低下することでだるさを感じたり、発熱、食欲の低下や吐き気などの症状が出てきます。
このように、症状が風邪にとても似ているため、個人では肝臓病と判断することは非常に難しいです。
いつもの風邪だと思って、医者にかからずに市販薬を飲んで治そうとしてしまう人も多いです。

 

しかし、肝機能が低下すると肌や白目の部分が黄色く黄疸化し、親指の指先や付け根が赤くなるなど、風邪とは異なる症状も現れます。
具合が悪いと感じたら、まずは肌や目の色などをチェックし、黄疸が出ているなどの症状が見られるようであれば速やかに病院を受診しましょう。

 

肝機能の低下は「肝臓がん」を発症する?

 

慢性肝炎が進行すると「肝硬変」を発症し、元の健康な肝臓に戻すことが難しくなります。
肝硬変になると、肝臓がんのリスクが高くなり健康診断で異常が認められたころには、すでに末期の状態だったということも少なくありません。

 

そうならないためにも、毎日の生活の中でアルコールは適量を意識し、バランスのとれた食生活を送ることが大切です。
また、適度な有酸素運動は体内の脂肪を燃焼するため、脂肪肝の改善も見込めます。
風邪薬を飲んでも症状が改善しないようであれば、肝臓が弱って悲鳴を上げている可能性もあります。

 

長期間放置せず、一度病院を受診して肝臓の検査を受けてみましょう。
多くを語らない臓器だからこそ、普段から健康に気を配り、肝臓病の発症を予防する意識を持つことが求められるのです。